水と空気と大地と、そして未来と Earth communication −地球と語ろう−

群馬県高崎市金古町1709-1

TEL:027-372-5111
営業時間 午前8時30分~午後5時30分
(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く)

保有設備

電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)

電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)

電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)

電子線を照射された物質は二次電子、反射電子、X線等様々な信号を放出します。走査電子顕微鏡(SEM)は放出された二次電子や反射電子を検出して得られる像により、高倍率の観察が可能な装置です。弊社のFE-SEM、日本電子製JSM-7600Fはショットキー電界放出型電子銃を採用し、高い分解能を維持しつつ、安定した大照射電流を容易に得ることができます。このFE-SEMでは数十万倍までの高倍率観察が可能です。

 

汎用型の走査電子顕微鏡との違い
汎用型のSEMには通常、タングステンフィラメントの電子線源が用いられています。一方、FE-SEMには電界放出型電子銃が用いられており、タングステンフィラメントと比べて電子線の径が小さくなっています。
弊社で導入したFE-SEM、日本電子製JSM-7600Fはショットキー電界放出型電子銃を採用し、高い分解能を維持しつつ、安定した大照射電流を容易に得ることができます。
弊社のFE-SEMでは数十万倍までの高倍率観察が可能です。

 

低加速電圧観察の勧め
電子線を照射すると、試料表面から電子が入り込み、最表面から少し内部の情報も像として写し出されます。入り込む深さは電子線の加速電圧によって異なります。例えば、試料がアルミニウムの場合、加速電圧が15kVでは約1.5μm、加速電圧が5kVでは約0.2μm程度電子が入り込むと言われています。
したがって、より最表面の様子を克明に観察するには、加速電圧を低くすることが有効です。
弊社のFE-SEMはジェントルビームモードという入射電子を試料直前で減速し、低加速電圧においても電子ビーム径を小さく保つ機構を備えています。この機構と安定した大照射電流により、0.1kVからの低加速電圧での観察が行えます。

 

FE-SEM試料室

FE-SEM試料室

70mm(X)×50mm(Y)×30mm(Z)の試料まで挿入可

(観察位置が端の場合は上記サイズでは観察できない場合があります。)

  FE-SEM 従来型SEM
分解能 1.0nm(15kV) 3.5nm
観察倍率 25~数十万倍 15~1万倍程度
電子銃 ZrOタングステン タングステン
対物レンズ セミインレンズ方式 アウトレンズ方式
像の種類 二次電子像
反射電子像
低角度反射電子像
二次電子像
反射電子像

例1 孔径 0.2μm のメンブランフィルターの観察 【汎用 SEM と FE-SEM での高倍率観察例】

汎用SEMとFE-SEMでそれぞれ30,000倍での撮影を行いました。FE-SEMでは汎用SEMでは見えづらい微細な繊維構造がはっきりと観察できます。

メンブランフィルター0.2μmの汎用SEM写真

メンブランフィルター0.2μmのFE-SEM写真

例2 剃刀に付着した油状物質の観察 【加速電圧による見え方の違い】

市販の剃刀の刃先には錆止め目的と思われる油がわずかに付着していました。加速電圧5kVでははっきり見えている表面の付着油が、加速電圧15kVではわかりづらくなっています。薄い付着物の解析等には低い加速電圧での観察が有効になります。

加速電圧5kV ×1000

加速電圧15kV ×1000

例3 はんだの熱疲労による破面の観察 【低加速電圧での観察例】

はんだの熱疲労は素子の発熱・冷熱や環境の温度変化の繰り返しよる熱ひずみが原因で発生するもので、非常に微細で複雑な破面になります。低加速電圧で観察することで、微細な凹凸を正確に捉えています。

はんだの熱疲労による破面のFE-SEM写真 ×5000

はんだの熱疲労による破面のFE-SEM写真(一部拡大) ×10000